「わが投資術 市場は誰に微笑むか」は清原氏の投資哲学、ヘッジファンド運用における経験、そして市場に対する洞察が書かれた書籍です。自身のキャリアの初期から、ファンドの設立と成功、そして引退に至るまでの道のりを振り返りながら、市場の非効率性や個人投資家の優位性について考察しています。具体的な投資戦略や成功・失敗談を交え、独自の視点から株式投資の本質を明らかにしています。
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重視すべき点
割安な小型成長株への集中投資
市場で過小評価されている小型株の中に大きな成長の可能性を見出し、そこに集中投資することで高いリターンを目指していましたそうです。これは、小型株の多くが割安に放置されており、成長株を見つけて投資できれば爆発的なリターンにつながると考えていたためです。
経営者の見極め
投資判断において、企業の経営者の資質、特に企業を成長させる強い意志を持っているかどうかを非常に重視していたようです。実際に経営者と面談し、その人物像や熱意を見極めることを大切にしていたそうで、成長性を見抜く一番のポイントは「経営者が企業を成長させる強い意志を持っているかどうか」だと述べています。
コントラリアン(逆張り)の姿勢
相場が暴落した時に買い、人気のない割安株を底値で買い集めるという逆張りの投資スタイルを徹底しています。自身を「頭のてっぺんから足の先までガチガチのコントラリアン」と表現しています。
市場の誤診への着目
市場は常に正しいとは限らず、時には誤った評価をすることがあると考えています。特に小型株は情報が少なく、市場の参加者も少ないため、割安な状態で見過ごされていることが多いと見ていて、株式市場の誤診の多くは、「割安」という言葉を定義なしでいい加減に使っていることによる誤解や矛盾に由来するとも指摘しています。
独自の情報収集
大学の同級生など他の投資家がアクセスしない、あるいはしようとしない「非伝統的情報源」から情報を得ることの重要性を挙げています。
リスク管理
特にリーマンショックのような危機においては、ロングポジションを維持し、ショートポジションを減らすなど、状況に応じたリスク管理を行っています。ただし、リスクのない世界は「死んだ世界」だと考えており、予見できないリスクの存在も認識しています。
長期的な視点
短期的な市場の動きに惑わされず、長期的な成長の可能性を持つ企業に投資することの重要性を強調しています。
ベイジアン的発想
新しい事実を取り入れて、もともとの自分の考えを調整していく「ベイジアン的発想」を投資において非常に重要視しています。
まとめ
「わが投資術 市場は誰に微笑むか」は、短絡的なテクニカル分析や短期売買に傾倒しがちな現代において、企業の本質的な価値を見抜き、長期的な視点で投資を行うことの意義と実践方法を教えてくれる、非常に価値のある一冊だと思います。
特に、日本の株式市場で腰を据えて投資をしていきたいと考えている方や、企業のファンダメンタルズ分析に興味がある方にとっては、多くの学びがある書籍だと思います。全ての項目を実践できなくても、エッセンスをいくつか参考に投資をしてみるといった活用方法でも良いのではないかと個人的には感じています。
決してテクニカル分析や短期売買を否定するものではありませんが、投資の多様なアプローチを知る上で、また「プロの投資家はどのように考え、行動するのか」を知る上で、非常に読み応えのある、おすすめできる書籍です。
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