この書籍は、投資歴27年で資産3.7億円(2024年8月13日時点で3億7441万円)、税引き前で年間1千万円以上の投資配当を計上している個人投資家、ヘム氏 が、自身の「勝つべくして勝つ投資」という手法の全てを伝えることを目的としています。個人投資家ヘム氏は、この手法は損をしにくく、長期的に見て確実に勝っていける投資手法であるとしています。
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投資手法を確立するまで
ヘム氏は、自身の投資手法を確立するまでに多くの失敗を経験しました。特に、学生時代からのギャンブル(競馬)で大敗した経験、銀行や証券会社の窓口で勧められるままに購入したテーマ型投資信託でITバブル崩壊時に基準価格が半額以下になった経験、「これからの時代は○○だ!」という軽いノリで誰もが思いつきそうな銘柄に投資してうまくいかなかった経験を挙げています。これらの失敗から、「ギャンブルでは儲からない」、「銀行や証券の窓口で勧められる商品は絶対に買ってはいけない」、「これからの時代は○○だ!」はもう株価に織り込まれている可能性が高い」 という3つの教訓を得たと述べています。
たどり着いたのがバリュー投資
これらの経験を経てたどり着いたのがバリュー投資です。バリュー投資とは、企業の業績や資産などから判断して割安だと判断できる銘柄を買い、値上がり益を狙う手法です。さらに、バリュー投資を突き詰めた結果、小型割安株と増配期待銘柄への長期投資にたどり着いたとしています。
ヘム氏の投資手法の最大の特徴は、安全域が大きく再現性が高い点です。これは、損をする可能性が小さく、特殊な才能がなくても誰でもヘム氏と同じような成果をあげられる可能性が高いことを意味します。
具体的な投資手法
具体的な投資手法は、以下の3点に要約されます。
- 企業の価値をしっかり分析して、その価値より安く売られている株を買う。
- 長期にわたり増配期待が大きい株を買う。
- 下落相場や暴落というバーゲンセールで計画的に株を買い向かう。
バリュー投資においては、企業の本質的価値と市場価値(株価)の差を「α」と呼び、このαが大きい割安な銘柄を見つけ、αが解消される(株価が本来の価値まで上昇する)見込みのある銘柄を見つけることが重要です。株価上昇の要因をカタリストと呼び、長期的な増配はバリュートラップ(割安なまま株価が上昇しないこと)を避けるための最も確実で予想しやすいカタリストの一つであるとヘム氏は考えています。
ヘム氏が小型株を主戦場とする理由は、株式市場の参加者のほとんどがプロである世界 において、小型株市場はプロが参加しにくく、「効率的市場仮説」の前提が崩れているため、ミスプライス(割高・割安)が発生しやすいからです。割安な小型株に投資することで、市場平均を上回るリターンが得られるとしています。
銘柄選定は「テーマ別バルク買い」を特徴とし、市場が注目しそうなテーマの中で「割安」かつ「増配期待が強い」銘柄を選定します。具体的なポートフォリオとして、連続増配宣言株、DOE採用銘柄、配当貴族、優待株、不人気株、小型割安株ファンド(Jペッパー)などを運用しており、それぞれのテーマの狙いについても解説されています。銘柄分析はスクリーニング選定と深い定性分析(競争優位性、参入障壁、マーケットの拡大余地など)のステップを踏みます。
また、書籍では暴落時の対応についても詳しく述べられています。暴落時は多くの投資家が恐怖に駆られて非合理的な判断をする中で、優良銘柄が安く買える「千載一遇のチャンス」であるとし、市場から退場せずに居続けることの重要性を強調しています。そのためには、分散投資を行い、普段からキャッシュポジションを確保し、暴落時に計画的に買い向かうことが普通の投資家にとって最も重要であるとしています。
投資哲学としては、「期待値1以上」を積み上げるゲーム、損をしない投資は存在しないが、損をしにくく長期的に確実に勝てる手法は存在する という考えに基づいています。
さらに、書籍では投資以外にも、「人生を変える一歩」を踏み出す勇気の重要性 や、他人と比較するのではなく過去の自分と比較して成長に焦点を当てる「水平比較より垂直比較」という考え方、そしてフロー収入とストック収入 といった人生や成功に関するヘム氏の哲学もコラムとして紹介されています。
巻末資料には、ヘム氏のポートフォリオ全体のデータ(構成銘柄、PER, PBR, ROE, 配当, 配当性向, 自己資本比率, 簡易理論株価, 安全域, 時価総額)が公開されています。
本書は、これらの内容を通じて、株式投資の基本を理解し、より安全に資産を増やしたい読者に向けて、ヘム氏の実体験に基づいた「勝つべくして勝つ投資」の手法を具体的に解説している書籍と言えます。
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